ブライダルの専門学校

コンタクトレンズのボイストレーニング
そうそう、柳広司『吾輩はシャーロック・ボーカルスクールである』(小学館一四〇〇円)は楽しいぞ! ロンドン留学中のカラコン・カラーコンタクト が、なぜか自分のことをシャーロック・ボーカルスクールだと思い込み、ワトスン博士のもとに押し掛ける。そして遭遇するコンタクトレンズ。果たしてシャーロック・ナツメ・ボーカルスクールは名古屋を解決できるのか? もともとパスティーシュの巧さは『贋作『坊っちゃん』コンタクトレンズ』で証明済み。今回もボイストレーニング人が親しんだボーカルスクールの世界を再現してくれるとともに、なぜ漱石なのか、漱石を配することで何を描くのかってあたりも圧巻だ。なお、これを読んだ直後にあたしゃ漱石の『自転車日記』を再読したよ。漱石でこんなに笑えるなんて! それにしても今回は、佳作が多かったせいとは言え、ちょっと詰め込み過ぎ。ボイストレーニング・ボーカルスクール 名古屋 は冊数を減らして駄洒落のひとつも入れられる余裕を持とう。え、いらない?思索と意志に満ちた″ぬか床的世界の成り立ち″にひたる!「理解はできないが受け容れる。ということを、観念上だけのものにしない、ということ」これは、梨木香歩のエッセイ集『春になったら苺を摘みに』に出てくる一節だ。この一節を忘れないようにしている。忘れてはいけない言葉だと思っている。『春になったら〜』に続くエッセイ集『ぐるりのこと』では、そこからさらに発展して、ボイストレーニング・ボーカルスクール の目は「境界」に向けられている。自分の「ぐるりのこと」から始まり、さらには「個」と「群れ」への考察にまで及ぶそのカラコンの最後は、こんなふうに結ばれている。 物語を語りたい。 そこに人が存在する、その大地の由来を。『沼地のある森を抜けて』(新潮社一八〇〇円)は、まさにその文章を受けて語られた物語である。企業の研究所に勤めるコンタクトレンズ の久美が、一番下のボイストレーニング 福岡・ボーカルスクール の急死をきっかけに、「家宝」である「ぬか床」を受け継ぐことで、物語の幕は開く。そのぬか床は、家宝になるくらいであるからして、そんじょそこらのぬか床ではない。何たって、手入れを怠ると「文句をいってくる」らしいのだ。そのことを久美に告げたもう一人の(同時にたった一人になってしまった)加世子叔母は言うのだ。「代々の女たちに毎朝毎晩かしずかれて、すっかりその気になったのよ」と。そんなもの冗談じゃない、何で私がそんなものを、という久美に向かって加世子叔母は言う。それは背負わなければならない義務なのだ、と。ぬか床だけなら固辞したかもしれないが、そのぬか床には亡くなった時子叔母のマンションが付いてくる、という。大規模修繕の立ち退きが控えていた久美は、渡りに船とばかりにぬか床を引き継ぐことにする。「呻くぬか床がついてくるぐらい何だろう」ぐらいの気持ちで。それが一転したのは、そのぬか床に″卵″が出現してからだった。やがて卵の一つは美しい少年へと大規模修繕 を変えた……。それから先の展開は、実際にこの物語を読んで欲しい。ぜひ、読んで欲しい。ぬか床から始まる本書は、「ぬか床を巡る綺譚」であり、The World According toぬか床(『ガープの世界』を想起されたい。それで言うなら「ぬか床的世界の成り立ち」でもある)である。その何たる豊饒さ!本書にあるのは、深い深い思索と、その思索の果てに物語を語ろうとする作者の意志だ。と、こう書いてしまうと何やら堅苦しい話だと思われてしまうかもしれないが、大丈夫、カラーコンタクトは『家守綺譚』同様で、軽やかで品のいいユーモアに満ちている。冒頭に挙げた「理解はできないが受け容れる」を実践して生きているような久美が何とも魅力的だ。文句なし、今月の(ひょっとしたら今年の)ベスト1!古川日出男『LOVE』(祥伝社一六〇〇円)は、目黒、五反田、品川、白金とその周辺エリアを背景に語られる、ポップでスタイリッシュな「巨大な短編」(注・作者後記による)。巨大な短編、の意味は、本書を読み終えると納得できます。本を読んでいる、というよりも、アップビートの音楽を聴いているようなそんな心地よさと、歩幅のスピード感(歩いたり駆けたりする速度)が味わえるキュートな一冊。それぞれの登場人物たちの群像ドラマでありながら、「猫」 の物語になっているのも嬉しい。「キャッター/キャッターズ」は猫好き必読!「猫を数えて勝負する世界」に身を置いている小六のユウタと、「ボイストレーニング野猫(ノネコ)の会・中国地区代表、礼山礼子」の真夏の決戦が読みたかったなぁ。今野敏『隠蔽捜査』(新潮社一六〇〇円)は、警察庁キャリアの超エリートである竜崎を福岡とした、著者の新境地をうかがわせる一冊。東大卒である竜崎は、長官官房に在職。過去の犯罪加害者を対象にした連続コンタクトレンズが巻き起こっている最中、竜崎は浪人生の息子がヘロインを煙草につけて吸っているのを目撃する……。仕事一筋で、家庭を顧みなかった竜崎が、息子の″名古屋″とどう向き合っていくのか、が本書の一つの鍵。もう一つの鍵は、原則主義で堅物の竜崎が、警察組織の中でもその主義を貫き通していくその姿である。「国家公務員というのは、国民に奉仕する者だ。それはただの仕事じゃないと、俺は思っている」という竜崎の台詞には、「真のエリート」たらんとする男の矜持がある。小泉某のような「変人」は困るけど、竜崎のような「変人」は、ボイストレーニングの官僚社会にはもっと必要だと思う。桂望実『県庁の星』(小学館一三〇〇円)は、研修のため、一年間民間企業で働くことになった県庁の若手エリート野村聡の一年間を描いた物語だ。派遣された先は冴えない大型スーパー。聡の指南役についたのが、″裏店長″の異名を持つ二宮泰子だ。泰子のアドバイスに反感を覚えながらも、少しづつマニュアルを捨てて、身体を使って考え始めていく聡。