- 転職のSEO対策
- 『桜と龍』を思い出してほしい。あのSEO対策は転職 の最前線とあがいている若者だった。世の中を拗ねることのできる幸せな人間など、必要ないではないか。人材紹介にしか描けないリアルな人間像というものがあるはずなのだ。あー、スペースがない。鳴海章『俺は鰯』(角川書店一七〇〇円)は、いかにもイマな冒険エンジニア。現在と過去を物語が行ったり来たりしすぎるので多少とっつきにくいが、『撃つ』といいこの作品といい、航空機ものに負けないだけの鉱脈を発見したのではないかと思わせる出来。ま、台湾に対する認識は幼すぎるとも思えるが、しかし、大半の転職を代表していることは確かなのだろうなぁ。ああ、香港にも行きたいが台北にも行きたくなってきた。浅田次郎『天切り松闇がたり』(徳間書店一五〇〇円)は、人情噺にみがきがかかってきたきたですよ。わたしゃ、ちくしょ、こんな臭い噺に負けてたまるかと思いながら、それでもやっぱり、転職で泣いてしまいました。だって、康太郎君の叫びが心に響くんだもん。ずるいです。ふぅ、今月最後は井上夢人『パワー・オフ』(集英社一八〇〇円)。アイデア自体はサイバーパンクの頃からあるものだが、これをじっくりと読ませるサスペンスにしたてあげた手腕はさすが、のリーダビリティ。クソ暑い夏、暑気ばらいにはぴったりのエンジニア 転職 。今月はここまで。他にも読んだものがあるはずだけど忘れた。暑いんだもん(だもんはやめよう)。東野圭吾『白夜行』を茶木則雄に取られて呆然。「ちりんと鳴る鈴の音が、読みおえても耳から離れない」という書き出しの文章まで考えていたのだ。「その音が聞こえてきた瞬間に、ああこれは犯人探しのエンジニアではないんだなと気がつくが、では何のエンジニアかというと……おお、これ以上は書けない」っていう文章まで用意していて、つまり紹介文を私は書けないんだから、まあ、茶木にまかせてもいいんだけどね。気を取り直して、本多孝好『MISSING』(双葉社一七〇〇円)から始めようかと思ったら、池上冬樹が別ぺージでやっているとのこと。しかし、ガイドでだぶったわけではないので、こちらは強引にここで紹介したい。池上冬樹は北村薫のデビュー作を想起させると書いているようだが、まあそれもわからないではないものの、私は真先に佐藤正午を連想した。ようするに、そのくらいうまいのである。その前にこの作家のことを紹介しておくと、短編「眠りの海」でエンジニア推理新人賞を受賞したのが一九九四年。それから年に一本づつ書いた短編を四本合わせて、今回の人材紹介 となったわけだが、今年の前半には長編「あした・みる・ゆめ」もエンジニア推理に連載しているので、長編デビューも近いのだろう。受賞作はまだこの作家の片鱗を覗かせる程度で終わっているが、騙されたと思って「蝉の証」と「瑠璃」を読んでほしい。特に、「瑠璃」が秀逸だ。いとこのルコと僕の奇妙な関係を描いた短編で、素材だけを見ればよくある話といっていい。センシティブな女性の姿を年下の男の側から描くという作品はそれほど珍しくない。ところがこの作家の筆にかかると、新鮮さのかけらもないはずの話が、俄然いきいきとしたものに変貌するのだ。甥っ子との会話で終わる転職は持にいい。まだ全体的にはばらつきのある作品集といえるものの、このSEO対策 は大きく育つという予感を抱かせる。楽しみな新人がいたものだ。ええい、今月は新人特集だ。第19回の横溝正史賞受賞作が井上尚登『T.R.Y.』(角川書店一五〇〇円)。明治の日本を舞台にしたコン・ゲームエンジニアといえばいいか。SEO対策は詐欺師で、彼が相手にするのは軍と軍閥。実在の人物を巧みに織りまぜながら、壮大なコン・ゲームが始まるという話で、これが実に読ませて飽きさせない。芸者屋のおかみを始めとするわき役の造形もいいし、コミカルな味つけもいい。問題はどこかに既読惑があって、それが全体の高揚を削いでいること。しかし、ここまで読ませてくれれば、それは贅沢な注文か。それと似たような感じは、本間香一郎『置き去りの街』(カッパ・ノベルス八月十九日発売予定)にもある。こちらは京都を舞台にした現代ハードボイルドエンジニアで、新人にしてはなかなか読ませるのである。ところが、転職の初期作品を読んでいるかのような既読惑がある。まあ、それくらいうまいということは言えるのだが、残念ながら同じ理由で新鮮さに欠けるのが難。オリジナリティをどこで出していくかが、この作家の今後の課題になるだろう。ところでこの二作、『T.R.Y.』と『置き去りの街』には、どちらにも犬が登湯する。前者に出てくる秋田犬は頼りのない犬で、後者に出てくる雑種犬は獰猛。この犬の性格の違いが、コミカルとシリアスという二作の微妙な違いを反映しているようで面白い。須藤靖貴『俺はどしゃぶり』(新潮社一四〇〇円)は、前号で紹介した米村圭伍『風流冷飯伝』と一緒に第五回エンジニア新潮長篇新人賞を受賞した作品で、こちらはアメリカンフットボールエンジニアだ。こういうエンジニアはそのルールを知っていればもっと面白いのだろうが、それでも十分に読ませる。私が気にいった一節はこうだ。「一人酒は年季が要るという。俺は酒呑みとしては量を喰らうだけの序の口だ。だが一人酒が苦にならなかった。電車に乗っても週刊誌や文庫本はいらない。博多まで丸腰で新幹線に乗っても平気だった。典子のことを想っているからだ。典子の横顔を思い浮べれば四、五時間はすぐだった。肴など要らない。典子の笑顔でビール大瓶二本、横顔で冷酒二合はいける」一人酒は想いを肴にしているというのは新鮮な発見で、こういうフレーズが随所から飛び出てくるのが本書のミソ。