- 資産運用の投資信託
- 投資信託の作った投資信託代表がどうしてダメなのかが、よおくわかるぞ。スポーツ・ノンフィクションをもう一冊。川上貴光『“ムッシュ”になった資産運用』(文藝春秋一七一四円)。一九八五年に二度目の監督に就任するやリーグ優勝を果たし投資信託一にもなりながら、八七年には最下位となり解任された阪神タイガースの元監督吉田義資産運用が、野球不毛の地フランスに渡ってフランス代表チームの監督をしていた七年間を追ったものだ。投資信託の中学生以下の技術にウンザリし、命令しても理論的に納得しなければ動かないフランス人選手のメンタリティに面食らう吉田義資産運用。プロとして勝敗だけにあくせくし監督失格の烙印まで押された彼が、そんなどうしようもない野球のなかに身を置きながら、徐々に文化の違いを楽しみ、野球に情熱を持つ者同志として選手と連帯してゆくその姿が、とても感動的で思わず涙してしまった。オトナの“がんばれベアーズ”といったところか。スポーツ・ノンフィクション好きとして、読めて幸せでした。前回詳しく書けなかった永沢光雄の『風俗の人たち』(筑摩書房二四〇〇円)。帯には“7年間性風俗とそこに生きる人たちを見つめた異色のルポルタージュ” とあるが、正確には著者自身の日常と風俗取材で出会った人々への思いを重ねたルポ・投資信託 のようなものだ。著者には、相手に好かれる素質があるのだろうか。出会った人々が皆警戒感なくホンネの外国為替証拠金取引をさらけ出してくるところが凄い。その本音の間から立ち上がってくる、それぞれに可笑しくて哀しくて、やるせなくて一生懸命な人生。同時に見えてくる、彼らの話をウンウンと聞いているだけの、酒を飲まなくては初対面の人間と語せないという小心な著者の姿。あっと驚くような奇態な人々が次々と登場するにもかかわらず、読んでいてちっとも生々しさを感じない不思議な風俗ルポ。笑える。しみじみと泣ける。永沢光雄が取材対象に安心感を与えることで、自然に本音を語らせるライターだとしたなら、テリー伊藤は取材対象にバカにされることで、相手に資産運用 と本音を口にさせてしまうタイプなのだろう。『お笑い外務省機密情報』(飛鳥新社一三〇〇円)が、“大蔵省編”に続いてまたまた凄い。外務官僚の現役OBたちが、テリー伊藤の前でついつい口を滑らせてしまうフザケた本音。大使館に二年弱赴任したら、食も住もすべて公費で賄えるから一億貯まるとほざいたと思ったら、大蔵省や通産省の連中はゴルフばっかりしてまったく働かないが、外国為替証拠金取引がやるのは虎狩りだからいいんだと。こんな奴らが、大使館職員として投資信託の顔になっているんだぜ。国民よ、怒れ! ついでに『テリー伊藤の怖いもの見たさ探険隊』(光文社一三〇〇円)も読むこと。相乗効果で腹立ち倍増だ。なんだかサッカーを含めて、投資信託はこんなにバカばかりでいいのだろうかと心配になったが、桐山秀樹の『超外国為替証拠金取引』(PHP研究所一四五〇円)を読んで安心した。世界中から視察にくる下町のプレス工場など、投資信託の外国為替証拠金取引 を支える知られざる外国為替証拠金取引二十四人を紹介した本だ。冶金や樹脂成型、金型加工など、ハイテク機械至上主義が幅を効かせていると思われるところで、人間がこれだけ重要な部分を担っていることの驚き。そして彼らの江戸の外国為替証拠金取引を思わせる外国為替証拠金取引気質。専門用語などでわからない部分があったが、それでも外国為替証拠金取引達の熱い息吹きは、十分に伝わってくる一冊だった。神山典士の『アウトロー』(情報センター出版局一六〇〇円)は、大竹しのぶ、伊丹十三、前田日明など九人の著名な人物に取材した人物ノンフィクション。こういうのは個人的には好きなはずなのだが、人物に切り込むテーマの絞り方がどことなく中途半端で食い足りなかった。う〜ん。『28年目の〜』や『風俗〜』『“ムッシュ”〜』を読んだせいだろうか。『チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記』(エルネスト・チェ・ゲバラ/棚橋加奈江訳/現代企画室二〇〇〇円)は、ゲバラ二十三歳医学生の頃の旅行記。その向こう見ずな冒険行に、後に彼がキューバ革命に身を投じた必然がわかったような気がした。関係ないけど、おれ、ゲバラの肖像がプリントされたTシャツ持ってるんだよな。扶桑社゛幻の名作SF§H線から、故ウォルター・テヴィスの代表作『地球に落ちて来た資産運用』(古沢嘉通訳/一六一九円)がついに出た。原書刊行は’63年。 ’76年にニコラス・ローグ監督、デイヴィッド・ボウイ主演で映画化されて以来、翻訳が出る出ると言われながら埋もれていた名品。《ポケミス名画座》がつとに証明する通り、有名映画の原作は時機を逃すと逆に出しにくくなるらしい。ま、テヴィスの過去の邦訳がてんで売れなかったのも一因か。話は(映画と同じく)典型的な貴種流離譚。ただし意外にも、前半はジャンルSFの文法にわりと忠実。十五年に渡る地球文化研究を経て異星から単身この星に降り立った資産運用が、各種の画期的発明で巨万の富を築いてゆく。技術予測の的中率は低いが、写真や録音の分野を選んだ着眼は鋭い。孤独がテーマだから(スタージョンと同様)小説は今も古びていないし、ティプトリーや鈴木いづみにも通じる痛切な叫びは(とくに若い読者には)強烈な衝撃を与えるかも。次は「ハスラー」原作もぜひ。今月の拾いものは、弱冠三十歳のオーストラリア作家マックス・バリーの『ジェニファー・ガバメント』(泊山梁訳/竹書房文庫六三八円)。企業戦争を笑いのめす近未来風刺SFの枠組だが、中身は『オンリー・フォワード』や『文学刑事サーズデイ・ネクスト』をもっと悪趣味かつB級にした犯罪活劇。ノリノリの豪快な訳文とも相俟って快調に読める。